中国旅行:上海3

日本でも黄砂の影響が出た2011年5月、 僕とMさんは黄いろい砂の中心でバブリーな上海の中枢に到達する。



オタショップ及びメイドカフェ。オタショップの店構えは上海で見ると恐ろしくインモラルな風景だ。
こういう店でよく見るネットから拾ってきた画像によるでかい看板は元データの解像度がマチマチでよく見るとかなり荒い。
成人向けのコンテンツを見ることは殆ど無いがたまにおっぱいマウスパッドやBL系のもので見かけることができる。



同じくオタショップの群れの中の武器屋。上海もこのあと行く杭州でもモデル武器屋はとても多い。
ここで売られている模型は薬莢や手榴弾でできており猛烈にかっこいい。



コピー品いろいろ。今日は家族計画にしようかマンハントにしようか、はたまた3DS maxで勉強をしようか…
写真のエロゲーは「家族計画」と書かれているが絵は 「Nursery Rhyme -ナーサリィ☆ライム-」である。 どちらが起動するかは買った人にしか分からない。


水の都、東洋のベニスと呼ばれる朱家角。
この日は中国の祝日ということもあり、もうここは大混雑大渋滞。割と早めに後にした。 やけに風呂桶を売っているのが印象的だった。
最後に肉まんを買ったつもりが、中身はドライカレーのような食べ物。おいしかったです。



ここで我々は僕の格ゲーの旧友Kと合流。アーケード版ドラゴンボールの全国大会優勝というすごいんだかどうだか分からない 経歴を持つ彼は上海で派手な遊びを覚えすっかり遊び人になっていた。
写真はKに連れて行ってもらった通称「ニセモノビル」。
見た目は普通の商業ビルだが、全てのテナントの前に椅子があり、そこに店員が座っており、近くを通ると「トモダチ!トモダチ!」 「トケイ!サイフ!」「カバン!ロレックス!」とセールスが始まる。
ついていくと店の奥の棚が横にずれ、更に奥に商品が陳列されている空間に案内される。要するに店は二重構造になっていて奥の商品を見るためには 隠し扉を抜けなければいけない。そして恐らくこのビルのテナントは全てこの形態だと思われる。
表にも裏にもあるのは偽者だが、表にあるのは粗悪な偽者で裏にあるのは精巧な偽者だ。 何故こうなっているのかだが、恐らくは粗悪品はバカバカしいので許されるが精巧なものは許されないからなのだと思われる。

ここでの買物のやり取りにはお約束がある。以下のようなやり取りだ。
1・まず店員が猛烈に高額な値段を吹っかけてくる
2・こちらがそれじゃいらないと出て行こうとする
3・店員がお前の言い値を書けとペンを出してくる
4・こちらが猛烈に安い値段を書き、店員がそんなの無理だと言う
5・じゃあいいよとこちらが出て行こうとする
6・やっぱりそれでいいよ!と買物成立


僕とMさんが買った店では100%このやり取りが発生した。ドリフのようなものだ。 適正価格は彼らの言う値段の1割くらいだと思われる。それ以下になると最後に引き止めてくれないとKの談。
なお、2番目の写真手前に写っているのが「ホンモノトイッショ!ホンモノトイッショ!」「ミツユニュウ!ミツユニュウ!ソクミツユニュウ!!」 等の名言を産んだ偽時計屋である。
彼の熱意に当てられ買った偽時計はその後の中華料理屋に忘れてしまった。残念だ。本物と一緒だったのに。



次にKに連れて行ってもらったのが田子坊。 分かりやすく言えば代官山のような場所で、お洒落で新しく、いたるところにあるオープンカフェは欧米人だらけ。 売ってるシャツも日本円にして2万円くらいだったりして日本顔負け。
お土産屋ではしばしば毛沢東のプロパガンダ時代を茶化すグッズが置かれており、これを見て中国に対するイメージが大分変わった。



あまり遠くないビルでも上のほうはすぐ霞む。この日は非常に強い黄砂が発生していて、それが日本にも到達してニュースになった。
僕はメガネがあるせいか分からなかったがMさんはしきりに目がかゆいと言っていた。マスクも手放せない。



Kに連れられ上海を流れるでかい川を船で横断。 見よこのバブル感。しかしながら料金は3元(40円)である。



船着場の先で電飾がギラギラしたバスに遭遇。常にネオンのような点滅を繰り返しクラクラする。 街路樹にはイルミネーションが瞬き、路上にはデジタルサイネージがいたるところに存在する。
20元出して乗り込むとバスの天井は開いていて上から超高層ビルが眺められるようになっていた。
上がキュっと細くなっている写真の超高層ビルは100階建てで上海で一番高い。このビルは日本人のビルで森ビルというそうだ(日本の森ビルと同様かは不明)。 森ビルは最上部には四角い穴があいたデザインになっている。 設計段階では丸い穴だったそうだが、建設の際に中国政府からストップがかかり四角い穴に変えられた。 上海で一番高いところに日の丸を掲げるわけにはいかないというのがその理由だ。
しかし森ビルの程近くで今はそれよりも高いビルを建設中である。
ここら辺に来ると漠然とした思いが確信に変わる。上海は東京よりも発展していて、しかも成長段階にある。



森ビル91階にて3人で一杯やる。共通の格ゲーの知人が何度も借金してトンズラしてることなどで盛り上がる。 カメラの性能もカメラマンの腕も悪くて100万ドルの夜景が上手く取れなくて残念。3人で酒を飲み、おつまみを食ったが値段は日本円にして 1800円程。安い。

中国人は物をそこら中に投げ捨てるので夜の駅構内は本当に汚い。しかし朝になると掃除人がやってきて綺麗にしていく。 よく汚しよく掃除するのだ。
僕とMさんはここでKと別れホステルに向かった。Kよ本当にありがとう。また必ず会おう。


翌朝、僕とMさんは上海を後にし、歴史と湖の町・杭州に向かう。
ゆったりした日々が予想された杭州だが、蟲惑的な魅力で溢れる清河通り商店街の存在が我々を眠らせなかった。

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